水上バイク(ジェットスキー)の事故が起きる理由と防ぎ方


水上バイクの事故の多くは、見張り不十分と操船不適切という、防げる原因で起きています。加えて、推進力がなくなると曲がれない、プロペラを逆回転させて急停止できないといった水上バイク特有の性質を知らないまま走ることも事故につながります。夏に増える水上バイクの事故は、経験の浅い操縦者の割合が高いことも教則で指摘されています。原因と、法令で決まっているルールを順に説明します。
この記事の結論
- 衝突事故の主な原因は「見張り不十分」と「操船不適切」の2つ(国土交通省の教則)
- 水上バイクは推進力がなくなると曲がれず、急停止もできない特性がある
- 免許を持つ本人の操縦とライフジャケット着用が義務。遊泳者の近くは約5km/hの最徐行
水上バイクの事故はなぜ起きる?
衝突事故の原因の多くは「見張り不十分」と「操船不適切」です。国土交通省の「小型船舶の航行の安全に関する教則」は、海上保安庁の調べをもとに、プレジャーボートの衝突の主な原因をこの2つと説明しています。
- 見張り不十分:他の船に気をとられる、遊びに夢中になるなどで、衝突の危険がある相手に気づかない
- 操船不適切:危険に気づいても、相手が避けてくれると期待してそのまま走る
さらに教則は、夏になると水上バイクの事故が増え、経験の浅い操縦者の割合が高いことも指摘しています。慣れないうちに速度を出し、周りを見る余裕がなくなるのが典型的な流れです。
どんな事故が多い?
他船・水上バイク同士の衝突、同乗者の落水、転覆後の漂流が代表的です。
- 衝突:水上バイク同士や、錨泊中の船、遊泳者との衝突。先行する仲間との距離を詰めすぎると、相手が風や潮で針路に入ってきたときに避けきれません
- 同乗者の落水:海上保安庁のウォーターセーフティガイドは、同乗者が海に落ち、ジェット噴流で内臓を損傷する事故が起きていると注意を呼びかけています
- 転覆・漂流:教則では、操船技能不足による事故は水上バイクに多く、転覆したあと自力で起こせずに漂流するケースがあるとされています
- 乗揚げ:浅瀬や海苔網・定置網に乗り上げるもの。事前の水路調査不足が原因になります
水上バイクはなぜ避けにくい?
水上バイクは、推進力がなくなると方向を変えられず、プロペラを逆回転させて急停止することもできないからです。教則には次の特性が挙げられています。
- 加速が非常に強く、一般的なモーターボートより高速で走れる
- ジェット噴流の向きで曲がるため、スロットルを戻すと惰力があっても曲がれない
- 水の抵抗で減速・停止する。急ブレーキはかけられない
- 旋回性能が高く、急旋回もできてしまう
「危ないと思ってアクセルを離したら、まっすぐ進んで当たった」という事故は、この特性を知らないと起こります。避けるときは推進力を残したまま曲がる操作になるため、講習で体に覚えさせることが大切です。
法律で決まっているルールは?
水上バイクは、特殊小型の免許を持つ本人が操縦し、乗る人全員がライフジャケットを着るのが法令上のルールです。主な遵守事項は次のとおりです。
- 自己操縦:水上バイクは免許を持つ人が自ら操縦しなければならない。無免許の同乗者に操縦させて後ろに座るのは違反
- ライフジャケット:航行中の水上バイクは、操縦者・同乗者とも着用が義務
- 危険操縦の禁止:遊泳者などの近くで、衝突のおそれがある速力で走る、急回転や縫うような走り方をする操縦の禁止
- 酒酔い等操縦の禁止、発航前の検査、適切な見張り、事故時の人命救助
- 夜間航行の禁止
違反すると点数が付き、酒酔い等操縦・自己操縦義務違反・危険操縦・見張り義務違反は3点、ライフジャケットと発航前検査の違反は2点です。他人を死傷させた場合はそれぞれ6点・5点に重くなります。累積すると業務停止などの行政処分の対象になります。飲酒については飲酒操縦の記事で詳しく説明しています。
遊泳者や釣り人の近くではどう走る?
海水浴場や係留施設、漁場、川などでは、エンジン最低回転の最徐行(約5km/h)が目安です。海上保安庁のウォーターセーフティガイドは、時速10km程度の低速でも予想以上に大きな引き波やジェット噴流で周囲に危害を与えることがあると説明しています。針路を保ちにくい場合でも、徐行(約8km/h)にとどめるよう示されています。
水域によっては条例やローカルルールで航行禁止区域や走り方が決まっています。たとえば琵琶湖では定められた講習を受けないと操縦が条例違反になります。初めての水域では、マリーナや地元の漁協、海上保安署で事前に確認してください。
同乗者や子どもを乗せるときの注意点は?
事故を防ぐために免許を取る前後でできること
特殊小型の講習では、学科で避航のルールや遵守事項を、実技で水上バイクの操縦を学びます。事故の原因になる特性やルールは講習の範囲に入っているので、まずはきちんと受講することが対策の土台です。
- 出航前に、燃料と潤滑油の量、船体・機関・救命設備、気象や水路の情報を確認する。発航前の検査は法令上の義務でもある
- レンタルや購入の前に、乗りたい水域のローカルルールと搬入場所を調べる
- 慣れるまでは混雑する場所や仲間との並走を避け、転覆からの起こし方も練習しておく
- 体験として免許なしで操縦できるのは、自己操縦の免除を受けた体験会など限られた場合だけ
取り方は水上バイク免許の取り方、教習所は水上バイク免許の教習所一覧かトップページのエリアから探せます。
対応する教習所・スクール
国家試験免除マリンライセンスロイヤル福岡
国土交通省登録の教習機関で国家試験免除で取得できる。1級・2級・水上バイク免許に対応。更新講習・失効講習も実施。全国展開のチェーンで合宿コースもあり。
スクールボート免許センター福岡
シーサイドももち海浜公園マリゾン内の教室で通いやすい。1級・2級・水上バイク免許に対応。
スクールマリンスクール福岡
小型船舶(ボート免許)・水上オートバイ免許に対応。ボート・マリングッズ販売店が運営。